「地方の時代」映像祭

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あいさつ

 「地方の時代」映像祭は、今年第44回を迎えます。多くの皆様のご支援・ご助力に深く感謝申し上げます。

 昨年の第43回映像祭は久しぶりにコロナ規制のない大会として無事開催できました。参加作品数・参加者数とも前年を上回り、サブテーマに掲げた「みんなの広場を取り戻そう」が多少とも前に進んだことを実感しました。しかし、2024年の幕開けは、能登半島を襲った地震によって大きく揺さぶられました。100Kmにわたる地殻変動は、家屋の倒壊、津波、土砂崩れ、液状化など多様な被害をもたらし、その中では奥能登という厳しい地理的・社会的要因から来る"地方"の課題が浮き彫りになりました。道路の寸断、孤立集落、支援態勢の遅れ、そして今後の復興支援をどう継続していくのか等々……人口流出・過疎・高齢化の流れの中で、この地に人々の日常を再構築するには時間が必要かもしれません。

 ただ、これまでも人々は、数々の困難を地域に伝わる知恵とコミュニティーの力で乗り越えてきました。かつて、「地方の時代」映像祭の初代審査委員長だった鶴見和子さんは「(この映像祭は)小さな民が歴史をつくるという歴史観を提示してきた」(1987年基調講演)と語っています。その言葉を借りて、今年の映像祭のサブテーマには「小さな民が歴史をつくる」を掲げます。

 奥能登だけではありません。パレスチナ・ガザ地区やウクライナで続く悲劇、あるいは気候変動による豪雨や干ばつ、森林火災等で故郷を追われた人々、そうした小さな民の視点を大切にしながら、第44回「地方の時代」映像祭は、映像作品でこの社会を問い続けて参ります。

 今年も多くの意欲あふれた作品をお寄せください。全国の作り手、多くの志を共有する方々の参加で秋の大会を実り多いものにしたいと願っています。「地方の時代」映像祭を引き続きご支援・ご助力賜りますようよろしくお願いいたします。

2024年4月

「地方の時代」映像祭実行委員会

実行委員 前田 裕 (関西大学 学長)
  後藤 圭二 (吹田市長)
  林 理恵 (日本放送協会 専務理事・大阪放送局長)
  堀木 卓也 (日本民間放送連盟 専務理事)
  村田 太一 (日本ケーブルテレビ連盟 専務理事)
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